2014年1月25日土曜日

とにかく身体を鍛える

最下層は確かに靄やろう。
そやけど靄にしては巨大に膨らみ暗い灰色で禍々しくさえ見える
それが円山川の上流、玄武洞辺りから豊岡の奥深くまで覆い被さっていた
放射冷却による大気の冷え込みで円山川の水が靄となって蒸発しいる

城崎温泉との空と言えば円山川河口の津居山とその向こうの日本海まで
青い空がポッカリ空いて彼方とは対極の景色や

対岸の小高い稜線の窪みから間もなく陽が昇る
寒い朝や。マイナス1℃。
昨日はほとんど一日寝ていた性か今朝は明けやらぬ5時半に眼が覚め
何度かもう一度眠りに就こうと試みたが眠れず
外に飛び出して円山川の畔を行きつ戻りつ鍛錬を繰り返していた




この辺りでは-1℃というのはそこそこ冷え込んだことになる
簿明の空の下、水溜りには氷が張っていた
けど、オレにとってはこんなのは寒いとは言えない
長年居た信州木島平村の冬は普通で-5℃やったもんな

この冬、早朝外に飛び出したのは初めてかも知れない
それだけ雨か雪かとにかく天気が悪い
今朝は簿明の中にも爽やかな明るさが窓を染めていた

上空は稜線の向こうに隠れている陽の光を受け青空が展開し
南の豊岡辺りその向こうまで暗い配色の霧が重くのししかかっている
その異種二重の対極の景色に見とれつつ鍛錬を繰り返した

川面から寄せる冷たい渡り風が心地よい
広大な川面のアチコチに鴨が小さな群で点在し
時折魚が跳びはね静止した風景の中に動きをみせる

繰り返す鍛錬で息は上がっても寒い性か汗は出てけえへん
汗が滲まない鍛錬て達成感に乏しい
そこで、思い切って走ってみることにした

走るなんてもう一年半以上もしてへん
事故以来膝もずっと痛むし走るなんてトンでもことやった
そやから思い切りが要る。走った。
河口に向かって、青サギが生息するワンドが左に展開して
100mでも良い、200m走れたら。およそ約1km走れた
さすがに汗が滲み出てきた。走れた。予想外。
達成感が湧いてきて、よしっ明日から少しずつ走りも延ばそう

事故直後、海で水中リハビリを執拗に続けた
当初10mも泳げなかったけど一年後の去年の夏は200mは泳げた
やれば出来る。同じ喜びが早朝の冷たい風になびいていた

鍛錬の目的はもちろん身体を鍛え上げるのと後遺症のリハビリなんやけど
もう一つ重要なのは精神を無の状態にするコト
とは言え、精神が無になる訳が無い
言えるコトはその間無心に没頭できる状態を堅持できるかどうか

日常の中で余念、雑念それにどうしようもない未練と悔恨が多すぎる
全て払拭できる訳はないやろうけど
鍛錬の時は鍛錬に没頭してひと時でもそれらから離れていたい

とてつもなく寂しさに襲われるのは稀とはちゃう
城崎温泉に来て日常的に未だ親しく話せる人は居れへん
独り暮らしの寂しさがひしひしと忍び寄ってくるんやな
けど、それはオレの専売特許ちゃうし、人は皆寂しい

その寂しさを糧に明日に生きようと
身体を鍛え苛めるコトで自分自身に活気を育んできた

おっ、稜線の窪みからご来光でござる

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