2011年12月29日木曜日

最終段階・その2

クリスマス寒波が来る、この城崎には暴風雪が告げられた
やったーと喜んだクマであって


嵐とか大雪が大好き

約10年間信州木島平村に居て冬の荒れる天気を体験してきた

目が開けておられへんような大吹雪、チョッとの隙間からでも粉雪が舞い込んでくる
掻いても掻いても後から後から降り積もる雪

冷夏10度近いのに雪掻きの労働で体は火照り気合が入る
疲れるしんどい、そやけどそれが大好きなクマでな


そやから
この城崎に暴風雪の予報が三日間続くと知った時、嬉しかったのじゃよ

ところがよ
確かに雪は降った。雪でなかったら霙がバラバラ降ってきよった
しかもその雪たるや、ベタベタの重い雪でなー
ちーともオモロクねぇばい
それでも遠目の円山川の雪景色は清々しく気分良かったかな



一週間の半分近くは誰彼と応援に来てくれる
女子も嬉しいんやけど、やっぱりこういう時は男子が多いな戦力になる
しかも若いのと経験ある者が力を発揮してくれる


16日金曜、ヒデとハマやんが来た
ヒデはこれで多分6回目になるやろう
元大工は、技巧の作業に入った今、ホンマに助かる


更に18日、シンとYちゃんも来た
シンは今、とび職として働いている難波ちゃんに並ぶ力持ち

クマが刻んだ重い重い丸太を二人でドンドン組み上げていく
床も広がっていく




別にお客や助っ人に来てくれる人にランクをつけるんちゃうけど
ヒデとシンはここ2年近くでぐっと親身になり実の息子以上の情を感じる



城崎に最初に来てこの旅館を見たのもヒデと
 その夜はハマやんが飛びっきりの鍋を作って飲みましたね

ヒデとシン、生玉時代の初期からの付き合いやからもう10年近くなる

もう一人、マッシーもその頃からの付き合いで三人の中では長男格かな
マッシーは大阪市の職員で組合の支部長していて超多忙なヤツやから
手伝いにはとても来れる訳がナイ
そやけど、クマにはいつも泣かせられる位の支援を惜しまへんねんな


この三人の実の息子以上の息子達
会うといつもバカ飲みしてバカ騒ぎして時間がアッと過ぎてしまう
それだけクマが大好きなヤツ等


そやけどなぁー、、、今回はメッチャ寂しいて哀しいて
クマの実の息子の次男が今年変死をして悲しみのどん底にあるちゅうのに
シンがコレを最後に4~6年かな長い旅に出るコトになってしもうた


それが
つろうて寂しいて哀しいて
作業を終わって温泉行って帰ってきて飲んでたらクマはオイオイ泣いてしもうたがな

二人の息子が居らんようになってしもうた

シンは一足先に帰った後、ヒデとハマやんが残って昼に帰る予定やった
シンとこれから長いコト会われへん、皆帰ってしもうてクマ独り
もう、メッチャ寂しい

帰り辛なったのか、クマともっと一緒に居りたかったのか、まあ両方やろう
ヒデとハマやんがそのまま残って午後から一緒に飲みだして

クマが酔い潰れてそうっと深夜帰ったんやろうなぁ

翌朝
誰も居れへんのに気がついて
二人の心遣いが嬉しいて目頭熱うなってもうたとさ


原田 譽志男(よしお)

2011年12月20日火曜日

最終段階・その1

開き直って、居直って

だいたい、クマは打たれ強いんじゃよな
最初に打たれたら、う~んとしょ気るんやけど
打たれ続けるとムクムク闘志が台頭して
おうおぅ、かかって来んかい、ジックリ構えて進む


予定はとっくに過ぎてしもうたけど

考えたら
これは遅れているんとチャウ
昔からそうやけど、甘い計算をしてしまう

この工事は、やっぱりそれだけの時間がかかるんや

 
遅れている、早く早くと駆け続けてきたら
もう、体がガタガタになってしもうたぜよ
68の老人やからアカンとちゃいまんねん

こんな工事半分以上一人でやってたら普通のモンは潰れてるぜよ
 
 
 

やっと
最終段階に入った

ログ(丸太)の作業はほぼ終わりを迎えそう
ここまで来れたのは毎週末、誰か何人かが助っ人に来てくれたからや


先々週は
難波ちゃん、いっちゃん、ようこちゃんが来てくれて絶大な助っ人になった
加えて、地元の森林組合の岩ちゃんがしげしげ通ってくれる

難波ちゃんといっちゃんで最後の大物の丸太を組み上げてくれた
何せクマは左肩の関節が変なのと両腕の筋肉がヤバイ
力仕事や重いものを持ったら危険な感じでな
 
最後の大物を片付けた後は
難波ちゃんは邪魔なタイルが張られたモルタルの壁を豪快に壊し
残った時間で床の下地に専念した
 

いっちゃん、ようこちゃん、そして岩ちゃんは丸太の皮剥き
 
実は、難波ちゃん達が着いたのは9日の夜11時過ぎ
そのまま飲んで寝た
翌朝、岩ちゃんの電話「今から丸太取りに行こう」で起こされた

難波ちゃんは既に起きていた
って、言うより飲み明かした厨房のストーブの前の椅子で眠ったんやな
いっちゃんも起きて来た

4人で竹野へ行く途中の山で伐採中の原木を取りに行った
これが適当に細いのがなくて径20cm以上のもんばかり
必要な長さに切って運んだんやけど
伐採したての原木は水分をタップリ含んで超重たい

今までは内装やから丸太の半割を使うてきた
けど、入り口玄関の壁は外壁も内装も一緒やから正味の丸太が要る
それを岩ちゃんに頼んでいたちゅう訳で

もう、メッチャ重いんすよー
難波ちゃんといっちゃんが大いに働いてくれた


夜は楽しかったなぁ
そやけど
難波ちゃんは段々クマをイジルようになってきた
それに歩調を合わせて岩ちゃんまでも同盟を結んだかのように
二人でクマをイジメまんねん、、ムカツクーーー

毎週末、誰かが来る
難波ちゃん達が来るまでは毎週barakaibちゃんが来続けていたが
この二週間はお休み
彼女の休みが土日月と三連休で金曜の夜きて火曜の朝帰るパターンになっていた

barakaibちゃん
クマの愛飲の清酒備長炭の3Lのパック6本と
韓国製の発泡酒「ぐぐっと生」を2ケース送ってきてくれたり
マスクも栄養剤まで送ってきてくれたりホンマ、感謝感謝

最初はお宿のお掃除ばかっかりが
遂に作業まで手伝いに入り始めてカンナを使いご機嫌すわ
 
岩ちゃんはbarakaibちゃんを「おばちゃん」て言いまんねん
この二週間、おばちゃんがけえへんかったら
「おばちゃん、居らんとさびしいなぁ」なんて


11日の昼過ぎまで精力的に働いてくれた
難波ちゃん、いっちゃん、ようこちゃんは温泉に行って
ほんで、帰った

難波ちゃんは
岡山から、岡山はGパンの産地で友達がGパンを作っているコトから
クマのGパンを特別あつらえで作って持ってきてくれた上に
開店祝い用に高級な日本酒までプレゼントしてくれた

居る間はクマをイジメまくって
帰りにはクマにビールまで買い置きしてもう至れ率せり


皆帰った後は当然クマは独り
もうーメッチャ寂しいぞー

2011年12月9日金曜日

絶大な助っ人

昨夜も温泉でゆっくり温めたのに、
今日は両腕の力瘤の筋肉がヒビ入ったようにピキピキメキメキ激しく痛い。
力仕事がでけへん。

昔、連日の大雪で連日の激しい雪かきで腕の筋が一本切れて
...
半年ほど、右腕が不自由になったコトがあったが
何か、その前兆とよう似た感じ
用心せなアカン

けど、難波ちゃんといっちゃんとシンの三人の若者が今日来てくれる。

絶大な助っ人や。

2011年12月8日木曜日

温泉の帰り、励まされて癒されて

近年こんなに疲れたコトはなかったぞ
病気じゃない、疲れは休めば回復すると今日は一日休んだ

昨日、最後の半割の丸太を刻み終えた
ってコトは丸太の作業は終わったいやいやそんなコトねえべ
内装用の半割り丸太の処置は終わったけど
肝心の店の顔の玄関の丸太の積み上げはホンマに丸太でな
それが最後の丸太の作業。多分、明日くらいに届くはず


今のクマにとって休むというコトはとにかく眠る
今日はメシ、トイレ以外はずっと眠って、今、温泉から帰ってきた

何と、今日で四日連続温泉に行った訳よ
これは新記録、して、なんと贅沢なコトやおまへんか

如何に控えめで慎ましくしていてもやっぱりクマって目立つらしい
温泉に通いつめていると顔も覚えられ声もかけてくれる


「ローソンの前で工事してますね。一体何が出来るんですか」
「娘がねジャズバーが出来ると言うてましたけど、ホンマですか」
「ウワーそんなんで来たらエエですな。帰りに寄らしてもうてもエエんですか」

今夜の温泉の帰りは受付のカウンターで賑やかに声をかけられましたわ

疲れ果てて温泉に行って帰りにメッチャ癒されましたぞ

娘達の間で評判だとか、役場でも、旅館組合でも巷でも
そこまでは予想してへんかったけど
ここに決めたクマの狙いは間違いなかったと思う

狭いエリア。全国でも一番人気の温泉。
観光客相手よりも地元の人たちが憩える場所が出来ると決めた
狙い以上の前評判に、褌締めるとか襟を正す感じですわ


予定より倍も遅れてるが、後、もうチョッとや
明日は強力な助っ人が来てくれるし

よしお爺、クマ爺、ガンバレ

2011年12月7日水曜日

着実に進んでます。で、確実に遅れてますわ ^ ^ゞ

昨日はメッチャ頑張った
刻んでおいたキッドをドンドン積み上げて益々形になってきた







それは
休日を惜しんで手伝いに来てくれた人たちの賜物や




延べ約30人の人たちがきてくれはった ^ ^


これが
信州木島平村やったらそうはイカンぜよ
やっぱり、大阪から近いってのがエエんやな







昨日頑張って、今日も頑張った
もうヘトヘトでやんす
ほんで、今夜も温泉にいきましたがな


城崎住民は何せ100円で七つの温泉を好きに入れるのじゃ
何か毎日が贅沢の極みみたいで
これでエエんかいなぁ、なんて思ってしまう

信州木島平村の山荘が燃えて久しく風呂とは縁が無かった
ところが、今はお宿にも風呂があり
歩いて一分で温泉があって気楽に入れる
キツイ肉体労働の後はホンマにエエんやなぁ



やっぱり
これってエエんやろうかぁ

信州木島平村の山荘が全焼して
やるコト、なすコトが上手く行かず結構しんどい年月やった

四捨五入したら一億に近い借金を抱え込んで悪戦苦闘してきた
自己破産って手もあったけど
それしたら保証人にツケが廻るからでけへん


この10年間で約3000万を返済してきた
ってコトはオレの生活は倹約そのものやった



報われない日々にじっと耐えて表面は明るく強く生きてきた
それが
ここ城崎に来てエエことばっかり

今日は温泉で愛想良く声をかけられた。初めての人
「すいません、どちらさんでしたか」
「いやー、ここでよく見かけるので」

この町の歯医者さんやった

JazzBarをやると言うたら、常連させて下さいときた


ホンマに
城崎に来てエエ人ばっかりに合えて
役場でも旅館組合でも、巷でも評判エエちゅうわ

はよぅ、。営業に漕ぎ着けたい。
もうチョッとや

絶対、はやるエエ店とお宿になる確信がある
コレまでの放浪のような人生に終止符が打てるんや


そやけど

その幸せ感を共有できる伴侶も家族も居れへん
そこんとこが、、、、

2011年12月4日日曜日

独居老人、チョッと黄昏てまんねん

起きるのが遅うなってきた
当初は早朝6時に起きて円山川、東山公園へ行って鍛錬を続けていた


肩の関節がおかしなったのと、雨が多いのと
何よりも疲れが鬱積しているから寝れるだけ寝る


大雑把な初めの作業から段々手の込んだ作業になってきた
そうなると見た目の変化が乏しくなってくる


親しくなった森林組合の岩ちゃんが時折訪ねて来ては
「何や、まだこれだけかいな」
揶揄し茶化すけど、分かってないんやな


そやけど、メッチャありがたい人で
丸太の搬送はもちろん、出た廃材や木屑を持って行って処分してくれる
エエ奴なんやけど、一つ欠点があるんやな
下戸ときているから一緒に飲まれへん



予定の倍の長丁場になってきた
最近は毎日が急かされ焦りが先行して時間を惜しむ


独り黙々と作業している
作業の内容は力は要るが言えば単純なコト
電動工具をただ駆使しているだけ


ご近所の人がヒョッコと訪ねてくる
隣のUさんに「ホンマに器用にやるねー」なんて言われる


器用、上手は素人に対するほめ言葉や、
プロや職人にはかえって失礼なんやが
ホンマに感心してくれて心からの誉め言葉なら、

ありがたく受け止めて


訪ねてくれるご近所の方には
名刺代わりにマイ著書『山麓の炎』を差し上げる
Uさんの奥さんは一晩で読んだ
読んで近所の仲良しに回し読みを始めた

チョッと、それ売りモンなんやけどと、思うが
元々名刺代わりに配ろうと思ってたし、それはそれでエエか



たまたま社員旅行で城崎に来た若いお客が
町役場に街山荘を訊きに行ったら
役場では評判みたいで教えてくれたと言う

ベーシストの遊馬が来て駅前の観光案内所に街山荘を尋ねたら
「あ~あ、あそこね」と教えてくれたと


まだ、看板も何も上げてないのに城崎では評判で有名らしい
位置的に県道に面して城崎温泉の入り口やから目立つんやな


森林組合の岩ちゃんとこへも
「何が出来るんや、丸太やからお前が噛んでるろ」と尋ねてくるらしい


狭いエリアに密集した城崎温泉、人口は3000人強らしい
そこへ働いている人を足すと密度は大きいかな
そこで評判になる、願っても叶ったりと思う

オープンしたらそれがエエ方向に行くと確信できる


独り

黙々と作業をする
しんどいけど単純な作業、作業中に色んなことに想いを馳せる

寂しさがひたひたと押し寄せてくる

独居老人
どうしようもなくパワーがある独居老人
家族が居れへん
四人居た息子達、今は三人になった
他人様の息子達と同年代の若者は親しく訪ねてくる
なんでか息子達はけえへん
妻は「もう、会いたくない」と宣言した
これってメッチャ寂しいんやな


他人に支えられ賑わっていても
家族がおって居れへんってのはメッチャ寂しいんやな


単純な作業をしながら、そんなコトがいっぱい脳裏を横切る

独居老人
まさしく、独居老人