2016年1月16日土曜日

城崎温泉 お宿 街山荘物語 160110つづき最終編

翌朝、朝食を済ますと青年はあたふたと帰った
朝食を出すとホッとして発泡酒を開けてゴクゴク
「朝からビール飲んでる!」
だいたい皆さんの一応の反応が返ってくる
「朝のビールが一番美味いのに」「確かに」の声も
「秀ちゃん、ビール飲む?」「飲む飲む」
さすがは秀ちゃん、彼女も一緒に三人でモーニング乾杯❗️
この日の午後、オレもバスで大阪に帰る
何と、秀ちゃんカップルと同じバスやん

昨夜の予想外に多くの来客で厨房は洗い物の山で再び大混乱
店内の片付け、布団も始末し、部屋も掃除、洗濯物も取り入れ
バスが出る2:40時までオレは時間との勝負ざんす
何とか2時過ぎに一通り終わった時
「よしおちゃ~ん」若い女子の黄色い声が明かりを落とした店内からすっ飛んできた
厨房から慌てて店に。戸外の明かりを逆光に四人の女子がドアの所に
「誰?誰?」オレは駆け寄った
昨年二度も来てくれた明石のEちゃんや
「何で城崎温泉に来てウチに泊まれへんねん」
「ちゃうねん、私ら香住にいっとってん。ほんで今城崎に着いたとこや」
「そうかぁ、一日早かったらな。オレ今からバスに乗って大阪や」
で彼女達とはそこそこに店頭でお別れ

帰りのバスで秀ちゃんと同席して穏やかに語り合い
酒が入っていたらかなりガラッパチの彼も満席の車内では
声を落として緩やかなお話だす
「これで腐れ縁になるかもな」オレ
「ほんでな、朝のビール代もらい損ねたわ」
「ほな今払うし」「エエねん。オレのミスやし」
「そうか、大阪の店すぐいくし」「おっ、ぼったくったろ」

バスは大して遅れもせず阪急梅田バスターミナルに到着
7時前に店を開けることが出来、とりあえずビールにタバコ
腹も減った。最近よく食べる釜上げ蕎麦で腹ごしらえOK

ドアの開けて髭面の男が入ってきた
「おう〜Sちゃん帰ってきたんかいな」
彼は昨年夏頃からソロキャンプにはまり込んでいる
厳寒にも耐え得るキャンプするんやと正月も10日間ほど行ってた

今日帰ってきて思い立って車を飛ばしてきた
明石からやで、飲み切って車中泊すると言う
「何言うてんねん、オレと一緒にここで寝よ」
てな事で他にお客さん来ず二人飲んだ飲んだ


昨年の今頃に10人ほど伴って城崎温泉街山荘に初めて泊まった
その後天満の店のラストパーティー
引っ越してきたこの西天満店はコレで二度目
昨年夏は城崎温泉近くの気比の浜に何日かソロキャンプ
その最後の方に泊まりでなく飲みに来た
お土産はオレの愛煙のキャスター1のロング1カートン
そのとき居合した女子達とバリ飲んで店のソブァーで沈没

大声の上にメッチャ喋りまくるうるさい奴と鬱陶しいとも思ったけど
ソロキャンプを執拗に繰り返す彼の姿勢を見直した
ソロキャンプ状況をFBで克明に挙げてくる
オレは励ましを込めて出来るだけコメントを入れる
段々心が通じてくる


そういえば彼とのつながりはFBで友達申請をしてきたのが始まり
会ったこともない男子、以来FBでは欠かさずいいねをしてくる
オレの長文をいつも楽しみにしてくれている

キャンプ話を中心に両親の話、仕事の話
ずっとしゃべり続ける。それが今では苦にはならずニコニコ聞くオレ
彼がソロキャンプにのめり込んだのは彼女との破綻
彼女とはその日の昼、城崎温泉を発とうとした寸前に
訪れてきたKちゃんやねんな
城崎温泉の最後の訪問者がKちゃん
大阪に帰ってきて最初の訪問者がSちゃん
奇遇といえば寄寓。因縁のようものを感じる訳で
皆萎えずたくましく生きていこうね

「仕事終わって無事帰宅しました。午前中は少ししんどかったです。
昨日はありがとうございました。楽しかったです。
しかも泊めてもらって朝も目覚ましかけてもらってて。
次の日が仕事でも行けるのがわかったので、また遊びに行きます」

Lineで送ってきた。好きなヤツまた一人増えたぞ    ー完ー

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