さぁやっと食事の用意が出来ると厨房に入った途端
ドアの開く音がした
「やってますか?いいですか?」中年のカップルさん
食事をしながら飲みたいと
「どうぞ、ただ、お泊りのお客さんの食事の用意中で一度に直ぐにわ」
「急がないからゆっくりやってください。飲み物だけは先に」
余裕で食事の用意が出来るとのんびり構えてたのが
ここに来てチト焦りが見え隠れしてきたぞ
コンロの空いた隙に注文の料理を仕上げ一品ずつ出す
その間も飲み物のお代わりがないかちょくちょく見に行く
お二人共そこそこ飲めるので放っておかれへん
7時になって二組の五人さん温泉から帰ってきはった
その頃には中年のカップルのご注文は全て出していた
城東区のカップルと親子三人の席は離した
カップルは当然飲み放題と張り切っている
親子三人はその日のうちに車で神戸まで帰るので飲めない
ほなオレはカップルと三人で飲もうって事になった
まぁまぁ間も置かず手際よく料理を出して
さあゆっくり飲むべぇと席に着き飲み始めたのもつかの間
若いカップルが入ってきて料理とお酒
それを出し切ったとこに三人のお客さん、続いてお二人
気がついたら満席状態
「秀ちゃん(城東の彼)が予約してくれて開けて良かった」
「そやろ、俺のお陰やで」威張ってやがるww
行ったり来たりバタバタ手際よく全て済ましたとこに、一人の青年
泊まれますかときた。9時を回っていた
「泊まれますが食事は定番が終わり今から何か身つくろいますわ」
「いえ、食事は済ましてきました」チョッとホッとする
カウンターで一人ポツンとビールを飲み出した
年配のカップルが腰を上げお勘定だって
お二人が出て行った後の席へ青年に移動を勧めた
「一緒に飲めへん?」秀ちゃんが青年を自分らの席に招いた
すでに秀ちゃんカップルと若者カップルはストーブを挟んでお喋り中
青年が加わりオレも入り賑やかになったぞ
秀ちゃんが青年にカニを差し出し、鍋も進める
それどころかご馳走するからと一緒に熱燗を飲み出した
秀ちゃん体も太く大きいが太っ腹や
親子三人が帰り若者カップルも帰って入れ替わるように
また新たなカップルのご来店ござる
可愛い端正な美人、彼は野生チック
他の宿に素泊まりできて晩メシと夕食を求めてきた。
城崎温泉という所、夕方6時を過ぎると飲食店はほぼ閉まる
それを知らへん観光客は安い素泊まりを選んではみたものの
食事ができる店がない。探し回り結局コンビニで買うしかない
ローソンと向かい合わせの街山荘。食事処の赤提灯
ホッとして入ってきはるねん。誠心誠意お応えしますねん
「次に来る時はココで泊まらせてもらいます」よく言われる
ほんで、お泊りに来たお客さんそこそこ居てます
この若いカップルもそれで色々注文しはったが
何せ前述のように切れた食材が多いからメニューの品に欠落が
ある物を5品ほどをご注文
さぁオレ、また料理だす。飲み物の注文もアチコチから声がかかる
厨房とカウンターのなかと客席をひょいひょい身軽に移動
その度にそれぞれのお客さんとちょっとした会話もはずむ
最後の若いカップルはご夫婦やった
「わっ、美女と野獣やん!」「よしおちゃん、それ言い過ぎやで」彼
その前も年配のカップルに「次の密会はココでしましょう」なんて
「よしおちゃん、あんなん言うたらアカンで」秀ちゃん
おれ、ズバッと核心つきまんねん。けど、空気読んでの発言
楽しく受け止めてくれ、それで空気を和ましてます
で、皆の住所、出身を披露してもらうと一人を除いて大阪やで
そうなるとさらに会話も弾みぐっと親しみが湧いて
オレはと言うと、その時ばかりと「ほな西天満店に飲みに来てや」
チャッカリ営業して、FBやLineで友達になり記念写真をガシャ
初めの若者カップルも若い夫婦も帰り
秀ちゃんカップルと青年とオレの四人で飲んでると
「今夜は営業してますか?」電話、男子の声
声の主は間もなく現れた。30半ばの男子二人。
この人らも大阪で、またまたよしおちゃん営業だす
「ゆっくり飲みたいのになぁ、宿の門限が」
他の温泉街は知らんけど、城崎温泉という所お客さんに門限をつける
しかも、11時~11:30時。コレってお客さんをあの取ってる、でしょう!
せめて深夜1時なら納得できるけど、まるで武士の商法
上から目線もエエとこやで
「そんなん、ほっときほっとき。ゆっくり飲みましょう」煽るオレ
で、彼らは秀ちゃん達が寝た後も1時過ぎまでオレと飲んだ
つづく
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