2014年7月20日日曜日

原発に何の理念もない。あるのは途轍もない危険を背負った利権

ーー最先端の技術できっちり管理されていると思ってました。
ところが原発の映像に必ず登場する、電力さんがいらっしゃる日原中央制御指数以外は、呆れるばかりの粗製はんぞうでした。一般の目に触れない肝心の原子炉建屋内は見るからに粗雑で場当たり的に作られている印象です
 
あちこちはい回る配管には規則性の欠片もありません。破損すれば放射性物質を撒き散らしてしまう配管にもかかわらず、雑な作りで、しかもほこりのつもり方からすればちゃんと面倒を見ているとはとても思えません。
しかも電力さんの正社員は危険なところには立ち入りもせず、下請けの、あえていってしまいますが、僕のような素人に定期検査の実際を任せてしまっています。しかも原発の機械のすべては、全く定期検査のことなど考えて作られていませんでした。これじゃ整備不良の中古車を、メカニックの資格のないド素人に整備させて走らせているようなのです。いつ暴走するかわからない怖さがありましたーー

 
凄いやろ、金儲けの現実、これが原発利権の現実や。もちろん電力の正社員が危ない橋を渡るはずもない。だいたい正社員が原発内に置いて放射線の強い所には立ち入りではいけません言う決まりがあるんやで、そこで素人メカニックの、いうたら何やけど命の安い下請けの下請けの出番、
原発利権、儲かるからや、政治家、電気屋、土建屋、人夫屋

電気事業法、昭和39年やったかな、これはようできた法律でな。とことん電気事業者の利益を保護するようになっとる。原子炉プラント、ウラン燃料、その他運転出資金といった支出に対して、その8パーセントを事業報酬、すなわち利益にしてええと言う法律や。収入の8パーやないで、支出の8パーやで!これすなわち浪費すればするほど儲かる言う奇妙な法律や。何か買うてやで、100円払うとな、なぜか買うた方の懐に8円の利益が入ってくる。不思議やろうすごいなぁ練金術やなあ、そやから、雑な計算やけど、一基5,000億円の原子炉を作ると原力さんときたら、400億円入ってくることになる。処理しようのない毒ウンコ、つまり核廃棄物な、処理しようがないからその保管に沢山のお金がかかるのは当然や、するとその支出に対して利益がぎょうさん入ってくる。
これが狙いや。処理しきれん核廃棄物やから、ええやん、処理できてまうんやったら金にならんわ。ま、ほぼ永遠に処理できんわけや。つまり永遠に金が入ってくる。たまらんやろこの仕組み、これに皆が群がっとる、いうわけや。原発利権、わかったか

 
ーーこうして原発は処理しようのない毒ウンコをひたすら撒き散らすばかりか、確率的に大事故を必ず起こす。わが国は、こんなんでいいのだろうか。売国奴ーーと言う言葉が脳裏に浮かんだ。それが誰を指すのかはよくわからないが、国家の中軸にいる人物だろう。私利私欲の為に何か大切なものを送ってしまった人物だ。ーー


花村満月 小説『希望(仮)』より

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