2012年9月15日土曜日

独り・再起動

朝夕はめっきり涼しくなってきたけど
正午から昼下がりにかけては型どおりの残暑が訪れる
ふと、また海に行こうと思う
習慣で漠然と思いつつ昨日からその思いを打ち消した


約四ヶ月相棒として森っちゃんがいた
短期やったけどこれほど他人と同居したことはなかった
それほど波長が自然に合っていたってことかな


独りになった途端に膝がおかしくなり歩行困難が続く
これは大変なコトと自覚してきた
何をやるにしても倍の時間がかかり膝の痛さで動くのが辛い


確かに、日中は未だ海へ飛び込んでいける
それをしていると山積している仕事が片付けへん
ここらで観念して今年の夏は終わりと海も諦めた
リハビリはチューブを利用工夫して色々やれる



店はオープン当初の勢いが何処かへ消えて
普段は悲しいくらいヒマが続く
何か違うどうなんやろうと日々思案に暮れる


看板が目についた。これかも。
訪れるお客さんは例外なく表のログ調に魅かれ
看板を見て納得して入ってきてくれるから
どのお客さんも年齢を問わず気に入ってもらい打ち解ける

そのほとんどのお客さんと
メールを交換したりFaceBookやmixiで友達にもなり
すでにリピーターで何人かが再度訪ねてきてくれた


そやけど商売としては喜ばしくない状態や


看板は大阪天満で作ったものをそのまま置いている
城崎温泉・街山荘用にニーズに合わせてどこか一工夫足らんのでは


昨日、二つの看板を外し
メニューと店名だけを置いて後は塗りつぶした
イメージ通りの看板が出来るか



9月はこの城崎温泉で一旗揚げようと去年着工して一周年
一ヶ月の予定で脇目も振らず工事に没頭したものの
予定を遥かに超えて年を越し五ヶ月もの長期に及んだ

その間、重い丸太との格闘で体はクタクタボロボロになり
都合五日間も寝込むという信じられんコトもあったなぁ


いやいや、未だ過去を回顧するようなトキとちゃう



看板を片付けると
ガラスの多い店構えが通りから余りにも透けて見える
オープンで良いとは言うもののやっぱり一工夫あるべきやろう


そこで、
窓と戸にステンドグラス風に粋な細工を目論んでいる

更に、この体が以前のように動けるのを待って
大広間の半分を潰して店を広げビリヤードを設置するんや

全くオレという奴はホンマにいつも何か造ってなアカン性質なんやな
この店を完成したら、もう何も造るものかと決めていたが
いざ蓋を開けて商売しだすと当初の感覚から外れたモノが出てくる

先ず、お客がこんなも若者が多いなんて予想もしてなかった
で、そのほとんどが観光客

初めは地元のお客を見込んでいたが
若者以外は一通り顔を出すと後はなかなか来てくれない

そうなんや、ここは有名な観光地。
観光客をもつともつと呼び込んで当たり前と悟った
しかも若者が圧倒的に多いから
ビリヤードは良い武器になると思う



何と言うてもオレは若い人が大好き
一緒に居ると際限もなくはしゃいでいる
オレが若者に向かう、若者はドンドンオレに入ってくる


早く出版しようとしている次の著書は
『征生男・惜春』未だに校正編集が続いているが
これは、オレの16歳の頃をモデルにしていて
校正編集に没頭しているとまるで自分が当時にタイムスリップして
生き生きと甦ってくる


それはもう若者と言うより思春期の少年
間もなく70歳なんて何処吹く風


心は少年のように、身体は青年のように
なんてそんな気概で居るから厄介なコトもあって

20代の若者が多いから自分もいつしか同世代感覚でいて
可愛いお嬢さんを恋愛対象につい見てしまう
それはアカンやろう、娘というより孫に近い年齢、あきまへんな

ところが、オレのそんな密かな悩みなんて知るはずもなく
よしおちゃん、よしおちゃんと寄ってきてくれる



ともあれ、森もっちゃんが抜け課題の多い独りでの再起動
青年のように羽ばたこうとしてんやけど
膝が膝が、何とかならんと困ったもんぜよ


それにしても
今日の昼下がり暑いし空は抜けるように青い
海に行きた~い

2012年9月10日月曜日

晩夏・この夏の思い出

昨日も泳ぎにいった
夏は間もなく幕を閉じようとしているのに
ギリギリ、最後の最後まで海に飛び込んでいく
その大きな理由はやっぱりリハビリ

階段から落下して脊髄損傷
当初は激しい痛みだけで指一本も動かすコトがでけへんかった
あれからほぼニケ月、今は驚異的に回復しているらしい

それでも
手足の痺れはひつこくも残り、毎日右腕の鈍痛に悩まされている
驚異的な回復やろうけどオレ的には30%ほどの回復にしかなってない

回復の源は海中でのリハビリが功をなしている
そやから可能な限り海へ行く
海へ行くことで多くの若者たちとつながった



この夏は
若者たちと交わるコトで錦のような鮮やかで交々の煌く思い出ができた










 

そして、この夏は終幕を迎えようとしている

終幕にふさわしい大きな変化があった
5月から一緒に貧乏して一緒に乗り切ろうと
森もっちゃんが相棒として滑り込んできた
三ヶ月少しで彼は去ることになった
9月2日を最後に彼の街山荘での生活は終わった

今は広島のホテルで仲居をしている
11月にはまた城崎温泉に帰ってきて
元居た三木屋という旅館で仲居をすると言う
若者はもっともっと旅を続ければ良いと思う



久々の独居生活が戻ってきた
オレには独りが丁度良い感じなんかな
そう思う間もなく大阪から妹と姪が初めてやっと訪ねてきた
久しぶりの味わう身内の和みと温かみ

と言うのは
回復が早く痛みを除けばかなり普通に生活できるようになってきたのに
森もっちゃんが後2日に迫った日に皆でやはり海にいった

リハビリの一環で泳ぐだけでなく水中歩行も根気よく続けていたんやけど
それかどうか分かれへんが海から上がってきたら妙にひざが痛い

帰って張薬を張って一晩明けたら痛みが消えていたので
商工会に入るべく1キロほど先の城崎大会議場まで歩いて行った

ところがその中ほどから膝が痛み出し
痛く苦しい歩行となって城崎の町を縦断して帰ってきた
膝は腫上りもう歩行が困難な状態

森もっちゃんが抜け一人になる時にまたまた不自由な体に
忌まわしいこの呪われたような状況がむかつくし憂鬱になる
彼も後ろ髪引かれる思いでオレを気遣いながら広島に発った

そして間もなく妹とその娘の姪の訪問
連日三人で海へ行き楽しむ合間を
二人は掃除に洗濯、洗物と全館を隈なくピカピカにしてくれた

三日間はアッと過ぎて彼女たちは帰っていった





 
今日からホンマにまた独り
秋の入り口が見えている
それでも昨日も海に飛び込んだ

明日は一日雨が降るみたい。海には行けない
歩かれへんからチャンとしたリハビリがでけへん
右肩の鈍痛がここぞとばかり波状的に襲ってくる

今夜は何人お客が来るのかなぁ
ほとんどは10時を過ぎてからお客が来る
このところ地元のお客より観光客のお客が多い
その大多数が20代の若者たちでそのほとんどと仲良くなった























 
mixiやfacebookで友達になったり携帯のアドレスを交換したり
で、そのほとんどが大阪であって
オレが大阪に行くのを皆さん待っていてくれる

天満の店になって何故かお客の年齢が上がった
40~50代が圧倒的に多く、30代ともなると若者やった

ところがここ城崎温泉・街山荘では20代が圧倒的に多い
しかも20代前半が主流になっている
城崎温泉・街山荘では30代は若者でなく大人なんやな


久しぶりの独りの時間。未だお客もおれへん
独りでしみじみこの夏を振り返る


入道雲が水平線でそれぞれ競うあうように林立して
上空は雲ひとつないスカイブルー
海原は太陽を照り返しキラキラ煌いて
渚にはコバルトブルーの海面から絶え間なく波が打ち寄せられてくる
そんな日々の連続の中で若者たちと童心に帰って遊んだ




皆の笑顔が甦る
若者の誰もが海原の太陽を照り返しキラキラしていたあの輝きがあった

思うにこんな怪我をしてリハビリしかでけへん体になってなかったら
オレは多分、海で遊ぶ時間より宿の修復の作業に没頭していたかも
怪我が若者たちとの新たな絆の源になったんや

痛い苦しい辛いことが楽しい思い出を作った
さらに夏の二つのライブも城崎温泉に新風を送ったと思う 














来年はもっともっと沢山の若者がこの城崎温泉・街山荘を訪ねてくるやろう
いや、来年とは言わず
これから秋の行楽シーズン、冬の蟹シーズン
またどんな楽しいコトが待っているか楽しみや

城崎温泉に来てホンマに良かった




 




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